わたしを離さないで

『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ(著)、早川書房、を読み終えた。
切ないような、なんともいえない気持ちになる。かなり引き込まれた。
日の名残り』がカズオ・イシグロを読んだ初めての作品であったが、たしか日本の名前をもつ英国人が英国の純文学で賞を取った、という帯の内容になぜか興味を引いて書店で手に取った覚えがある。映画も劇場でみた。サー・アンソニー・ホプキンスの演じるスティーブンスはとても印象的だった。
パトリス・ルコント髪結いの亭主』も大好きな作品のひとつだが、哀愁ただよう作品は感慨も深い。
最近はそんな感傷に浸るような作品には無縁であったが、『わたしを離さないで』は、むかし友人と語り合ったことや夢見たこと、歯がゆい感じを思い出す。
きっと映画化されるであろう。誰が演じることになるのか、どんな作品になるのか、いまから楽しみだ。