Web2.0

いつくものエントリーで出てくる「Web2.0」というキーワードはなにを意味するのか、いまいちわからなかったが、My Life Between Silicon Valley and Japan『Web 2.0、概念、経営的感覚』(参照)がしっくりきた。概念でいいんだ(よく考えればそりゃそうだ)。技術はさっぱりわからないし、きまった定義もないのになぜそんなに盛り上がるのか不明であったが、それはそれで概念だけでこれだけ関心を引くのはすごいことだ。

「概念」に価値を見出さない人からは、「口先だけの話はいい、とにかく手を動かせ」的な言葉が出ることが多い。そういう経営者は、自分の勝ちパターンで勝ち続けられる時代にはいいが、大きな変化にとても弱い。

企画系なのでコンセプトは必ず練るが、それを受け取るほうの反応は様々だ。企画チーム内でもコンセプトを固める作業がなにを意味するかわからないということは起こりえる。うちみたいに小さい会社だとそれだけ企画作業に対して温度差ははげしい。せめてチーム内ではコンセプトに対して共通認識をもつことがどれほど重要か気をつけるようにしているが・・

僕は、「概念」がいちばん重要になるのは、異質なバックグラウンドを持った複数の人たちが一緒に仕事をするときだと考えている。経営とはその際たるものだ。

そーなのだ(と、バカボン調に。資生堂仲間由紀恵のCMがとても気に入っている)
そのほか、いくつかのエントリーをメモ。
Life is beautifulWeb2.0時代らしいエンジニアのクリエイティビティの引き出し方』(参照

【意訳】Googleの重役たちは、エンジニア自身がカッコいいと思うものであれば、何であれ(誰にも了解を取らずに)作ってしまって良く、会社としてもそれをそのままサービスとして公開してしまってユーザーがどう反応するかを試してみる、というやり方が全然かまわないと思っていることを、最近公に認めた。

という文に目が止まった。何気ないステートメントだが、実はこれこそがGoogleをこれほどGoogle内外のエンジニア達にとって魅力的にしている一番の理由ではないだろうか、と思った。

創造的な企業文化は目に目えるのではないかと思い始めてきている。日本テレコムの本社を見学して感じはじめたことではあるが、"文化"は認識できるように発信するべき重要事項だろうとブランディングで思う。
Speed Feed『ファッションビジネスとITビジネスにおける相似。』(参照

目的を認識し、そのためだけの施策をとること。それが戦略であり、マーケティングだが、意外に日本企業はコレ(これ)が下手である。広告宣伝=マーケと思っている企業が明らかに多いように思うし、その広告でさえ刹那的なモノが多すぎて、コーポレートブランディングを損なうような結果を生んでいる。
反対に、世界で成功する企業にはフォーカスがある。
(中略)
フラクタル、という言葉がある。自然の創造物においてはたいていの場合、全体に対して部分が自己相似するというものだ。上述のIT企業達の行動の一つ一つは全体の動きに相似している。

フラクタルとは面白い見方だなぁと。これはとても大事なことだと思う。賛成。
追記
関係ないけど、極東ブログ『土の器』(参照)がおもしろかった。

陶器が陶器師と争うように、
おのれを造った者と争う者はわざわいだ。
粘土は陶器師にむかって
『あなたは何を造るか』と言い、
あるいは『あなたの造った物には手がない』と
言うだろうか。
(イザヤ45-9)

僕はクリスチャンではないけど、粘土は練ったことがあるのでダイレクトにトイストーリーみたいな映像を想像してしまった。確かに災いだろう。

AVでは、「土の器」は、earthen vesselsとあった。よい英語である。earthenの響きがギリシア的でよい。

いろいろな訳があるのは知ってたけど、単語も違うものなんだねぇ。